永久の友

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和音と沖田が京に着いた頃はもう春の風が吹き始めていた。 すっかり腰も良くなった和音は元気に玄関で声を張り上げる。 「ただいまーっ!」 「「お帰りなさい沖田隊長、芦川副隊長!」」 和音の高い声に反応し、隊士達は一斉に玄関に押し掛けた。口々に挨拶や労いの言葉を掛けて再会を喜んでいる。 新選組で男臭くない人間が二人も留守にしていたので、隊士の心は荒み始めていたのだ。 「長い間ごめんなさいね。何も起こりませんでしたか?」 「はい!何の問題もありませんでした!」 沖田の癒しの笑顔に涙さえ浮かべて伍長が報告する。
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