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「あ、でも…」
しかしすぐ表情を曇らせ、小声で話始めた。
只事ではなさそうな雰囲気に和音と沖田は得体の知れない不安に駈られる。
「近々伊東一派を中心とする十数名が新選組と分離するそうです」
「「は?」」
わけがわからず同時に問い返すと伍長は眉間に皺を刻んで続けた。
「表面上は分離を装っていますがその実態は知れたものじゃないですよ」
一番隊の人間は和音を除き伊東を好まない。
だからどうしてもそういう見方をしてしまうのだと、沖田はその時は思った。
「土方さん、只今戻りました」
部屋に荷物を置いてから土方の許へ向かう。
中から低い返事があり、沖田と和音は入室した。
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