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「亜由美、ほら起きよう?
遅くなったら困るでしょ?」
「ん、やぁ……」
身体を起こそうとしてくるので、その声を発している人物にがばっと抱きついた。
ベッドからする香りがより一層濃くなって鼻に届く。
「……しゅきぃ……」
それがあまりに良い匂いだったから、ぼんやりとした意識の中、まだ呂律の回らないままふにゃりと呟く。
「……襲われないようにって、言ったのに」
そんな声がした気がするけど、よく聞き取れなかった。
あたたかいのが心地よくて、抱きついた状態ですりすりと身を寄せる。
「…………」
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