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「亜由美、お前……」
「え?」
朝食の為に冷蔵庫を漁っていると、後ろから低い声。
珍しく自分から起きたお兄ちゃんに驚きつつ、卵を手に取る。
「っ……!?」
うなじの辺りに冷たいものが触れた所為で、危うく卵を握り潰すところだった。
「な、何……」
がしり、掴んだのは骨張った手。
冷たいのは寝起きだからなのだろう。
「……跡」
「は?」
「大和か?」
そう言って、顔を歪めたお兄ちゃん。
何を言っているんだろう。
寝呆けてるのか?
「跡って……」
「キスマーク」
…………え。
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