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「やだ、そんなの……」
冷蔵庫の前、しゃがみこんで頭を抱える。
――お兄ちゃんと仲違いなんてしたくない。
だからって、大和さんから離れたくもない。
「どうしよ……」
いくら悩んでも、答えなんて出なかった。
当たり前だけど、二人は私にとって特別で、大切で。
「わかんないよ……」
泣きそうな声は、キッチンに小さく浮かぶ。
お兄ちゃんに聞こえることは無いけれど、気付いて欲しかった。
いつもみたいに、鬱陶しいぐらい心配して欲しいと、思ってしまった。
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