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冷たい言葉を吐き捨てれば、
色素の薄い澄んだ目にはうるうると涙が浮かぶ。
……そんな顔すらも綺麗で、
兄の悩みに解決の糸口は無い事を悟る。
―――日本人離れなはっきりとした顔立ち、
明るい茶色のサラサラした髪に、それと同じ色の瞳。
180センチ近くある背丈に、程よい低さの甘い声。
誰もが振り返る、
まさに美男子。
「だって、相手は勇気を出して俺に気持ちを伝えてくれたのに、
それを蔑ろにするなんて……、
俺には出来ない!!」
……お人好しすぎるのが、玉に瑕。
「……心を鬼にしろ!
それしか道は無い」
柴田 亜由美、16歳。
こんな調子で、ほぼ毎日そんな双子の兄を慰める生活。
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