どうして生まれたか

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「あ、起きた?」 「…私、また…」 「もう、あまり心配させないで あなたのその命は まだ必要なのよ」 見上げると青空。 一人の少女が深呼吸すると ほろりと涙が頬にあたる 「泣いてる」 無表情で振り返る。 白衣姿の女性はその顔に苦笑を浮かべ 少女の肩に手をのせる 「泣いてるのよ、 あなたを失った悲しみで」 「…前のおかあさんは 泣かなかった 私を…ぐしゃぐしゃにした」 「ユキナ… あなたはそれでも、」 生まれたいの? 女性は少女、ユキナに尋ねる ユキナは 当たり前じゃない、だって、 生まれるって素晴らしい事、なんでしょう? と、笑顔で白衣の女性に 抱きつく 「おかあさんができたら、 こうしていつも抱きついていられるんでしょう?」 フワ… 刹那、ユキナの体が透ける。 「もう時間みたいだ。 またねファウマ」 白衣の、ファウマは ユキナに背を向け 「また…」 そう、ここは…
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