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世界を星として見た時に、世界の姿を長方形の紙に貼付けた時に、世界の中心に位置する大陸があった。横に膨らんだ円形を、中央からTの字に裂いたように大陸が三つ。
その内の一つ、最も大きな北の大陸・ノースリュクの最果てに、白く真新しい城が佇んでいた。
砂風に曝されて茶色く煤けた城の周りには、くすみ渇ききった大気とひび割れた大地だけが地平線まで続く。その景色には、一見では浮かばない疑問が確かにあった。
一度それに気付いてしまえば、この大地からぽっかりと生えたように佇む城は違和感の塊でしかない。
まともな陸路も整備されていないこの場所に、どうやってこの城を建てたのか?
白く塗装された城の屋上。植木や噴水などで飾られた、中世の気品溢れる庭園といった風情の場所に女性が一人佇んでいた。
屋上の外側を囲む鳩尾ほどの高さしかない外壁、その近くに佇む女性は靡く鮮やかなサンドベージュの髪を押さえて、紫に染まった夜空を眺める。
「……首が痛くなるよ?」
凛と澄んだ高い声が聞こえてきたと思うと、パンッと何かが弾けるような音が響く。
女性、ゼルナが音のした方へ視線を向けると、外壁にもたれるようにして小柄な少女が立っていた。
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