序章『入学式』

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ていうか、何で私が目覚ましセットするの間違えたのが分かったんだろうか?。 少し眉が傾いた。 それを見た冬姉は少し誇らしげな顔をして、私の方を見た。 「ふぅん、図星だったんだ?」 ――完全にばれてる。 何故分かったのか分からないが確かに彼女はそう言ったのだ。 それを聞いた母は私を見て馬鹿にするように笑っていた。 「やっぱりね、春が早起きしたの二年ぶりに見たわよ」 母は笑いながらそう言った。 余計なお世話だ……って言いたいが、事実なのでいたしかねない。 私はいつも冬姉か母に起こされないと起きられないくらい寝ぼすけだからだ。 だから私はこういう件については感謝はしている。 けれどたまにわざと起こしてくれない事があったのでその日からは少々びくびくしていた。 「あ、そうそう…入学式は私もついてくから」 「冬姉来てくれるの!?」 お恥ずかしい話だけど、私は結構シスコン気味だ。 母は忙しい日が毎日続いていたから私を構ってくれたのは冬姉だった。だから母親の愛情よりも秋姉から貰った愛情の方が大きかった。 だからといって母親が嫌いな訳ではないが。 姉に付きっきりだったせいか妙に冬姉といつも引っ付いている。
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