序章『入学式』

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早速、カッターシャツから着替えはじめるのだが、ボタンが非常に止めにくいので私は即苦戦。 何故なら中学のときはブレザーではなくセーラー服だったからだ。 新品のカッターシャツのボタンどめはとても固く、特に固いのが第一ボタンなのだ。 何故固いのかはわからないがとにかく固いのなんの。 私は力技でねじ込んだのだがこれ一枚を着るのにとても疲れた。 ここでいまさら下がショーツがチラチラ見えるだけの状態だったことに気づき、急いでスカートをはく。 膝まで長さはないが、中学のときもそれくらいだったので得に気にしなかった。 その後、黒ソックスを履き、ブレザーを羽織って鏡を覗いてみる。 ちょっとブカブカした感じだがとても可愛い制服だと改めて思った。 可愛いのは制服だけで私は関係ないからね。 ――と、ここでネクタイの存在に気づく。 さて、本当の戦いはここからだ。 ベッドの枕元に置いてあったケータイを開くと、BOOKMARKからYouTubeを開いて、『正しいネクタイの結び方』と検索。 大量に出てきた中からシンプルノットという結び方の動画を開き、私はネクタイを見よう見真似で結び始めた。 「あれ?なんか形が変」 ――再び結び直すが。 「あれ?今度は長さが変に」 おかしいな、ちゃんと見た通りにやっているのだが、動画の人の様に綺麗に結べない。 これを数回エンドレスして、姉に助けを求めに行った。 私ってなさけない。
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