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私は部屋から出ると、隣にある部屋のドアを開けて中を覗いてみると、服を着替え終えた冬姉がいた。
私の顔を見たあと、手に持っているネクタイを見て、察したような顔をして体ごとこっちに向くと、彼女はわざとらしく、
「どうした?妹よ」
と、ニヤニヤしながら私に言った。
「ネクタイ結んで欲しいんだ……」
と、若干恥ずかしかったので赤面しながら私は姉に頼んだ。
「おしきた、お姉ちゃんに任せなさい」
彼女は何も考えず言った早々で了承してくれた。
私は少し嬉しそうに彼女に近づくとネクタイを取り、首元にしゅっと、長さを揃えた。
そのあと、難無く彼女はネクタイを結び、首元まで結び目を上げて
「次からはちゃんと自分でやれよ?」
って言って、結び上げてくれたのだった。
「えへへ、冬姉ありがとー」
上機嫌になりながら、私は自室へ戻り、鏡の前へ立ち、手首にかけていた髪ゴムを結べるように手で開く。
そのまま左右、均等に髪を上げて、いつも通りのツインテールの完成だ。
短いのがあれだけど、私はいつもこのスタイルだ。
誰にも変えさせはしない―――多分。
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