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俺が甘いんだろうか?
いや違う、殺さずに捕虜にする手もある。
「…あーもう分かったよ!殺しませ~ん」
わざとらしく大袈裟なため息をついた後、キョウは両手の平を胸の前で俺に向けて広げて見せた。
「セージは俺の数少ないトモダチだからな、言う事聞いとかねぇと」
今度はニカッと子供のように無邪気に笑う。
…少しホッとした。
「…あんまり悪く目立って、追放なんて事になったら大変なんだからな?」
「はいはい、気をつけまーす」
ケラケラ笑って先を歩いていく。
その背中に誤魔化されそうだったが、不安は消えなかった――
to be continued
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