鐘~黄♂+白♀~

4/5
前へ
/31ページ
次へ
(……くだらない) 地に伏せた男の手からぬいぐるみを取り、砂を払いエリの手へと返してやる。 「…ありがとう」 「行くぞ」 何事もなかったかのように。 俺達は「ある場所」へと向かい歩き出した。 「…鐘が鳴る」 途中、エリが足を止めて、向かう先より少し西を見つめながらポツリと言った。 その視線の先には落ちかけた太陽がある。 「あぁ、だから急ぐんだ」 「鎮魂の鐘が、鳴り響く…」 鳴らせなどしない。 鐘は破壊する。 その為に俺達は、東京へ―― to be continued
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加