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(……くだらない)
地に伏せた男の手からぬいぐるみを取り、砂を払いエリの手へと返してやる。
「…ありがとう」
「行くぞ」
何事もなかったかのように。
俺達は「ある場所」へと向かい歩き出した。
「…鐘が鳴る」
途中、エリが足を止めて、向かう先より少し西を見つめながらポツリと言った。
その視線の先には落ちかけた太陽がある。
「あぁ、だから急ぐんだ」
「鎮魂の鐘が、鳴り響く…」
鳴らせなどしない。
鐘は破壊する。
その為に俺達は、東京へ――
to be continued
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