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世界は、混乱していた。
ここ数年、問題は確かにあった。
「でも…、これはひどいなー」
その『世界』と同義の存在が、つぶやく。
各地で起こる、今までにない大嵐、大地震。
気温の上昇による、各種異常。
進行する砂漠化、雨の酸性化、大気の劣化。
―――そして。異常な環境ホルモンによる生態系の変化、それにより出現した怪物…つまりモンスター。
「アイツら、考えなしに使うからなー」
それらの異常気象、あるいは異常現象。それは、とある“存在”により、激化した。
「コクオーのやつめ…まったく、厄介な事してくれたもんだよ」
つぶやきの主は、心底呆れたような声で言う。『世界』の感覚から“五つの異常”を感知しつつ。
「さて、ボクは手出しできないからなー。誰か、探しに行かなきゃね♪」
仕方なさげな口調とは裏腹に、その表情は楽しそうであった。
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