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この国には昔から言い伝えがある。
『恨みを捧げよ。
さすれば、黒龍が恨みを聞き届け、汝の復讐を代行しよう。』
これは黒龍信仰と言われ、紗羅ノ国でいつからか信じられていた言い伝え。
いつからこんな信仰があるから知らないが、紗羅ノ国の人間は大抵この言い伝えを信じきっている。
何故なら、民は望んでいるからだ。
この腐りきった紗羅ノ国に天罰が下ることを。
この国も数年前は緑に溢れて、決して豊かではなかったが、それでも人々が幸せそうに暮らす良い国だった。
しかし、今では緑は荒廃し、国の重税により人々はいつ飢え死んでもおかしくなかった。
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