プロローグ

4/6
前へ
/60ページ
次へ
報告し終え、報酬の素材と金を受け取ると再び出口へと向かう。 一度家に帰ろう、と考えていると目の前の扉が勢い良く開いた。 「大変だ!アルベルトさんがっ…!!」 慌てた様子の男が酒場全体に響くように大声で叫ぶ。 酒場の時間がとまったかのように静まりかえる。 男の発言を助力するかのように大きな爆発音が聞こえてくる。 少女は目を見開き扉の前に立つ男を押しのけ外へ駆けだした。 少し走ると森に囲まれた家から煙が出ていた。 やっとのことで辿り着くと少女の目の前に赤が広がった。 「…あ、ぁ…」 少女の目に映るのは赤。 「っ…いやぁァァァアアああああああああああぁぁああああっ!!」 少女の目の前にあるのは倒れ力尽きているであろう家族の姿と半壊した己の家だった。 悲痛な叫びが森へと響き渡る。 後から駆け付けた住人もその光景に驚きその悲惨な出来事を拒絶するように目をそらした。 逃げ帰った男が少女に駆け寄り見たものについて話し始めた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加