世界図書館とライトノベル

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再び列に並び直すこと10分 ようやく図書館内に入る事が出来た。 中に入ると真っ先に目に飛び込んでくるのは壁に沿うように配置された本棚に所狭しとと並んだ本、本、本。 -さすがは世界図書館と言われてるだけの事はある。 その時、横からメリハリのある女性の声が聞こえてきた。 「ここ、世界図書館 通称『ノウ・アンノウン』には一日に数百冊の本が入荷されています。 しかしこの広い敷地内でも全てが入りきる訳ではなく、古くなった本は『デジタルライブラリー』と言うコンピューター内に納められ……」 淡々と喋る女性の前には小学校くらいの子供達が体育座りをして真剣に聞き入っている。 社会見学の子供達だろう。 ここでは珍しくない光景である。 「おっ、ヤンじゃねえか」 その声に俺は後ろを振り向く。 すると見慣れた顔が近づいてきていた。 「やっぱヤンだ 珍しいな、ヤンが放課後に図書館なんて」 ちなみにヤンは俺のあだ名。 俺は因村 護禄(ちなむら ごろく)という名前があるのだが 中学生の頃、ゴロヤンと名付けられ、いつしか後付けされたヤンの方が残ってしまい今ではヤンと呼ばれている。 俺的にはこのネーミングセンスはない。
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