KISS MORNING

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ひだまり荘に、目覚まし時計の音では無くドタバタという騒音が響いている。 「うああっ、寝過ごしたっ!もうっ、昨日夜遅くまで小説書いてたから…」 沙英は半端に焼けた食パンを口に挟み、口をもごもごさせながら眼鏡をかけて時間を確認する。 「ギリギリかぁ…、まだ間に合うけど」 沙英はあらましにパジャマを脱ぎ捨て、制服に着替える。 そして教科書とノートを鞄に入れ、部屋のドアの鍵を閉める。そしてあることに気付いた。 「あれ…?そういえばヒロは…?」 いつも起こしに来てくれる、沙英の親友ヒロが見当たらないのだ。     ‘ピンポーン’ 「ヒロ~?起きてる~?」 応答が無い。沙英は鍵がかかっていないヒロの部屋に恐る恐る入った。 部屋はカーテンを閉めているので薄暗い。 「すー…、すー…」 いつもは沙英を起こしに来るしっかりもののヒロが、熟睡していた。 机の上には、学校で出た課題のデッサンと筆記用具類が散らばっている。
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