出遭い

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僕は彼女を見た、その小さく華奢な体にどれほどの悲しみを抱えているのだろうか… 考えるだけで胸が苦しくなる すると、彼女の長い睫毛が揺れ、ゆっくりと瞼が開いた 少し虚ろな目で病室を見回し、僕を見つけ目を見開いた 『どうして…』 小さな声で呟いた 「どうしてって、僕の目の前で倒れたんだから…」 そう僕が言って苦笑いすると、彼女は俯いたまま黙ってしまった -コンコン- 病室のドアをノックする音が聞こえた
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