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僕はその手首を見て言葉を失ってしまった
そんな僕を見た彼女の瞳は助けを求める潤んだ瞳から
混沌とした暗く鈍い色に変わった
そして、立ち去ろうとしたのか急に立ち上がった
僕は思わず、彼女の赤い手首を掴んで引き止めてしまった
彼女がこのまま、消えてしまいそうな気がして
『離して………』
彼女が呟いた
「でもっっ」
僕は思わず掴んだ手に力をいれてしまった
『痛いから……』
彼女が少し呆れた様子で言った
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