階段の一段目

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「ダルい・・・」 忌々しいほど晴れ渡っている空に視線を向け、1人の学生は呟く。 今は授業中でこの場所、屋上には誰一人居ない。この学生の名前は【橋本達哉】ここ南條高校の2年。 ゴロンと仰向けに寝そべり、少年は大きく溜め息をつく。 「毎日同じことの繰り返し、何か劇的な変化とか無いかな。」 彼はいつもこのような事をぼやき、今日のように授業をサボったりする。別に成績が悪い訳でも、不良というわけでもない。ただやる気がない、気が乗らないと曖昧な理由である。 彼が仰向けに寝そべってからしばらくすると、ポケットに入れている携帯がなる。 「メールか」 彼は慣れた手つきでポケットから携帯を取り出し、ディスプレイをみる。 「あ?何だこれ」
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