散策

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 塀の何倍もの高さの木々が葉の良く茂った枝を広げている。  塀の内側は塀に沿って椎と欅の並木道で、薄暗く落ち葉が深く積もっている。  硬質な葉は、昨夜の多量の雨にもかかわらず、歩けばガサガサと音をたてるのだった。  足音が近づき、門番は、今まさにそこに、門扉内側に人影が現れると思った。
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