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朦朧としていた意識が一瞬で覚醒する。
白い肌を際立たせるような不思議な形をした青と白の巫女装束、露出している肩は滑らかなラインを描いている。
全身を形づくる柔らかな曲線、瞳はどこまでも深い深山の淵のような緑で、鼻筋はすっきりと通り、若緑色の髪はキラキラ光を孕んで輝いて、蛇と蛙の形の髪飾りがアクセントをつけている。
紅い花の色をした唇はふっくりとしていて、見る者の心をかき乱す魅力が内包されていた。
こんなに美しい人間がいるわけがない。
そうだ、これはきっと神様か何かなんだ。
何か不幸が起こる前兆……。
もしかしたら死ぬ直前に見える死神なのかもしれない。
全身の毛穴から、嫌な汗がどっと出る。
けれどその人はいきなり俺を見て微笑んだ。
「よかった……、意識はあるみたいですね……。
あっ、すぐに薬を持ってきますね!」
少女はタタタっと音をたてて何処かへ立ち去ってしまった。
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