君の背中に欲情

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「……っ」 「固くなるな、誰もいないって」 「バッ……ここ、学校だぞ?」 「気にすんなよ。ここ、ホモ校だぜ」 「ぁっ、く、調子に乗る、なっ……!」 「我慢出来るかよ……」 実に効果音が卑猥だ。 素晴らしい。 実に素晴らしい。 お取り込み中……ぶっちゃけ最中な、不良×男前カップルに出くわした。 空き教室に夢がいっぱい。 夢という名のBLきゃっほい! BLはファンタジーと言う人物もいたが、ここに通ってるとそのファンタジーは日常茶飯事さ。 強姦だったら止めに入るが(勿論、顔は隠す)、今日は両想いのようでお兄さん、鼻息が荒くなっちゃうぜ。 あぁ、ガン見だがな。 インしちゃって、音ももう18禁、放送コードに引っ掛かるくらい卑猥な訳だが、何だろうな美味すぎる。 けしからん、もっとやれ。 もう、第2ラウンドとか行けばいい。 盛れ盛れ。 さすれば俺が喜ぶぞ。 やはり生も良いな。 二次元は同人誌、サイト、小説で妄想するしかなかったから(アニメは朝チュンばかりだし)、どうなってるのか非常に妄想の糧になるぜ。 下手なゲイビデオは吐きそうになるんだ、俺。 上機嫌で、極めた覗きスキルで濡れ場を見学していた俺は、完全に隙だらけだった。 濡れ場に集中していたのが敗因なのだろう。 背中が、ゾワリ、とする。 な、何だ……? 誰かが、俺の背中を、撫で回している。 き、キモい、いや、気持ち悪い! 思わず肩が震えるが、悲鳴は何とか飲み込むことに成功した。 しかし。 舐め回すようなこの手つきに、何故、俺は以前から知っている感覚になっているんだ…… 振り向かん。絶対に振り向いてなるものか。 振り向けば、俺の絶望が早くなるだろう。 いずれもうすぐ訪れる絶望を早める気は皆無。
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