君の項はロマン

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君の項はロマン

最近、俺の周りが騒がしい。 「あ、お前が村瀬だよな!! どうだ、一緒に空手で全国狙わないか!?」 「断る。俺は忙しい」 「あ、あの、村瀬くん……この間助けてくれたお礼に、このお弁当……」 「知らん。要らん」 「あ、村瀬の旦那! この間の蹴り痺れたッス!! 自分を弟子にしてくださいッス!!」 「断る。暇じゃない」 「む、村瀬、一回オレを、な、殴ってみないか?」 「ウザい。キモい」 「あは、村瀬くーん、オレと一緒に飯食おうよー」 「断る。王道と食ってろ」 「樹! 飯食おうぜ!!」 「断る。怠い」 「なら風紀に入らないか?」 「クッ……俺に二次元は捨てられない……!」 「イッキ。この間貸してくれた格闘ゲームで対戦しないか?」 「望むところだ。放課後で良いな」 「「「和田ズルイ…!」」」 サムの何処がズルイと言うのか。 俺の席に群がる奴らに「人がゴミのようだ」と呟けば、一人身悶えてる奴発見。 誰だ、奴に侵入を許したのは。 俺の視線に気付いたべっさんが変態の首を掴み、それは素敵な笑みで窓から放り投げた。 ちなみにここ4階。 周囲が顔を青ざめる中、俺はべっさんの所業に顔を輝かしたのは尊敬からだぜ。 素晴らしい、やっぱりべっさんに一生ついて行ってもいいだろうか。
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