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君の暴言に陶酔
鼻歌を口ずさみながら、俺は機嫌良く放課後の校舎を徘徊していた。
理由は簡単。
濡れ場をガン見してきたからだ。
しかもまたあの不良×男前カプだった訳で、終始淫らで激甘の濃厚な絡みを脳裏に焼き付けさせて頂いたぜ。
もう、本当、アンタら最高だよ。
とにかく今の俺は今期一番の機嫌の良さだ。
今、この機嫌が低くなるとすれば――、奴だな。
それ以外は平気だと、意気揚々と歩いていれば、急に腰に衝撃。
「あぁっ、樹くん、好き!! 食べたい挿れたい繋がりたい!! もう僕樹くんがいないと耐え切れないよ!!」
「衝撃のファーストブリッド!!」
「素敵な右ストレート!!」
あぁ、もう、本当にこいつ、何処から沸いて来るんだ。
あの黒光りした生物並だな。
駆除されたら良いのにな。
侮蔑に満ち溢れた顔で見下ろせば、それをみた変態が破顔して俺の手を握ってきやがった。
「触るな」
「樹くんのその見下した顔が堪らないよ……!!」
「もうお前さ、コンクリートで固められて沈んでろよ。魚介類の餌になるのが、お前が生まれた理由だと俺は考えた訳だ」
「樹くんが沈めてくれるなら、本望だよ」
「――うわ、その超爽やかな笑顔ムカつく。キモい」
「冷たい君が大好き!!」
腰に纏わり付く変態を剥がしてはくっついてくるのがマジ鬱陶しい。
もう一度殴ろうか、と思ったところで、遠くから足音が聞こえるな。
何だ?
「飯生くん、また殴られてない? 大丈夫??」
少し高めな声に振り返れば、天使が、そこにいた。
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