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何故こんなことになったのだろうか?
「動くなっ!!動けばこの女の命はないっ!!そこを退け!!」
耳元で叫ばれた。
詞子はその場で頭に拳銃を突き付けられ、思わず反射的に涙目になる。
詞子は新しい奉公先が『極道』の家だと最初は知らず、半年経った今は雰囲気に慣れ、ようやく割り切ることが出来る状態になっていた。
周りの男たちはこちらに拳銃を向け、その殺気を一心に感じた詞子は恐怖している。
庭の掃き掃除の最中、突然上から人が飛び降りて来てため、詞子はその場に驚いて固まった時にこの男に捕まってしまった。
最早助かる可能性はないだろうと思い、銃弾による痛みを考えると、ぎゅっと瞼を閉じる。
しかし、急に肩に回されていた男の腕が外れ、何故か男がその場に倒れ込んだ。
「え……?」
突然呻き声を上げる男に詞子は呆然とその場に立ち尽くす。
「おい。」
声が詞子の側から聞こえ、反射的に詞子はその人物を見ると、目を見開く。
何故組長の息子がここに?
「俺の婚約者に触るな。」
「…………え?」
一体誰が婚約者?
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