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恥ずかしくなり、俺は席についた。
すると彼女は手を上げて先生に尋ねた。
「先生!彼は異星人ですか?」
どこまで引っ張るんだよ!
今度は落ち着いて心の中でツッコんだ。
先生もやれやれといった感じで答える。
「同じ日本人だ。彼は今日転入してきた佐藤 貴裕君だ」
すると彼女は目を輝かせた。
「転入生!?つまり…私の後輩…」
「ちげーよ!同じ教室にいるんだから同級生だ!お前はもう二年生なんだから後輩はたくさんいるだろう…」
「アハハ…そうでした…」
再び笑いが起こる。
俺は全く笑えない。
正直恐ろしい位の天然だ…。
こんなやりとりしてて、先生も大変だろうなぁ。
俺は彼女のことを今井さんに聴いた。
「あの人って、どういう人なの?」
すると今井さんは少し考え、口を開いた。
「まぁあいつは一言で表すと超天然。去年クラス一緒だったから詳しく知ってるんだけど、毎日必ず素っ頓狂な発言して周囲を騒がせてたわ…。けどあたしは面白いから好き。」
「な、なるほど…」
俺がもし彼女と一緒にいたら、ツッコミで精神が擦り減らされて不登校になりそうだ。
彼女のドタバタ劇場も落ち着いたところでSHRが始まった。
まぁ、ほとんど話すこともなくすぐに終わった。
するとすぐに、超天然少女が近寄ってきた。
「いやぁ先程は失礼しました」
近くで見ると、結構かわいい。
「あ、いや…気にしてないから大丈夫だよ…」
俺は苦笑いしながら返した。
「そっかそっか、気にしてないか!…えっと……」
「あ、佐藤 貴裕です」
「そうだったそうだった。私の名前は豊咲 瑠璃。よろしくね!」
「あ、はい。よろしく…」
意外と普通かも…と少しだけ思った。
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