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挨拶を済ますと突然、豊咲さんが声をあげた。
「あ~リカちゃんの筆箱に新たなるストラップがついておる!」
見ると、ディズニー系のストラップだった。
「かわいいでしょ。これ」
豊咲さんはその筆箱を手にとってそれを間近で見る。
そして目をキラキラに輝かせながら言った。
「かわいいねぇ!私、ディズニーランドとか行ったことないから行きたいなぁ!」
なんか、普通に女子高生の会話をしていたから少し驚いた。
とりあえず、会話に入っていない俺はトイレに行こうと廊下に出た。
そして、トイレの方角へと向かう。
突然。
何かにつまずいた。
凹凸のない廊下でつまずいた。
つまずいたのではない、足をかけられた。
いきなりのことだったので俺は勢いよくずっこけ、周囲の注目を集めた。
いじめか…?それとも間違えてか?
何が起こったのかあまり整理がついていない俺に足をかけたと思われる人物が俺に声をかけてきた。
「転校初日のくせに、クラス委員長のこの私に挨拶無しなんて生意気よ」
俺は声のした方角を見上げた。
そこには茶色に染まった長いストレートの髪と、漫画とかで出てきそうなお嬢様のような顔をした美少女が腕を組ながら俺のことを完全に見下していた。
その少女は俺の方に近づいてきてさらに見下す。
「いい!?今後、私があなたの隣を通ったら常に挨拶しなさい!」
俺は何も言い返すことができなかった。
「返事は?」
彼女は俺に顔を近づけた。
だから俺も一言。
「あの!」
「何よ…」
「パンツ…見えてますけど…」
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