第 I 章

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「あ、あの、ここは・・・」 「ここは村の西にある神殿です。私はこの神殿に勤めております司祭でエルマと申します」 どうやらこの部屋は神殿という建物の中の一室らしい。 プラチナブロンドの女性が自己紹介した後、さらに続ける。 「そして、こちらに居るのが神官のエステルです」 エステルと呼ばれた少女が、にっこり笑う。 「あ、俺・・・私はアーサーといいます」 アーサーの返答にエルマが頷くと、質問を投げかけてきた。 「貴方は村で見ない顔ですね」 「はい。最近、引っ越してきたので・・・」 「そうですか」 エルマは納得した表情になる。 「貴方は村のはずれで倒れていたのです。何があったのか覚えていますか?」 「うーん」 眉間に皺をよせ、アーサーは何かを思い出している。 「確か村のはずれで剣の稽古をしていました。その時、急に目眩がして立っていられなくなったのを覚えています」 もう一人の俺が、会話を続けている・・・
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