第 III 章

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今、アーサーとエステルは酒場兼宿屋のギルドで、ゴメスと話をしている。 話題は先日解決した依頼について。 ここまでの話では、真相が全く分からないと思うので、ゴメスから仕入れたネタで補足しておこう。 まず妖魔どもだが、黒ローブが放ったファイアボールの魔法で、殆どが倒されていた。 それでも残っていた僅かな妖魔どもは、決着がついた後、あらためて7名で掃討している。 黒幕に関しては無力化して拘束しており、村の治安維持の為の組織に引き渡してある。 とはいっても村の治安維持組織程度では心もとない程、あの二人の力は強大な為、現在王都の組織本部へ対応を確認中。 近々、王都へ護送する為の部隊が村へやってくるらしい。 勝手に黒幕としているが、彼らは黙秘を続けており、実は真相は分かっていない。 ただ、妖魔どもが集団で襲ってくる事がなくなった事から、黒幕で間違いないだろうという事になっている。 実はヤツ等は、王都で手配されている中級クラスのお尋ね者で、あちこちに被害を及ぼしていた。 その為、ラッセルはビンゴブックでヤツラの顔を知っていた訳なのだ。 そして、ソイツ等の現在地の情報を入手してやって来たハンターが、ダリウスとメルヴィナ。 彼等二人は少年・少女に見えるが中級クラスのギルドメンバーであり、二十歳をこえている恐るべき童顔の持ち主だった。 あと小耳に挟んだ情報では、黒幕のヤツ等はどちらも暗黒魔法の使い手ではないらしい。 少し不気味さの残る幕切れだった。
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