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太陽は、頭上にあり煌々と辺りを照らしている。
この辺りは住宅街みたいだ。
ちょうど今は昼時らしく、あちこちの家から美味しそうな匂いが漂ってきている。
俺、物理的な肉体はないけど、どうやらアーサーを通して五感を感じる事は出来るみたいだ。
なんか、それはそれで辛いような気がしないでもない・・・
アーサーが家に入る。
どうやら、自宅に着いたようだ。
中には誰もいない。
両親は単なる外出か、それとも仕事中か。
なんにせよ、アーサーに話しかけるには丁度いい。
アーサーは一旦、台所で何かの肉が入っているパイと平たいパンを2つ掴むと、パンを口にしながら居間へ落ち着く。
コイツ、行儀はあまりよろしくないな。
アーサーが椅子に座ったところで、俺はなるべく驚かせないように穏やかな声で話しかける。
(アーサー、俺の声が聞こえるか?)
一つ目のパンを食べ終え、パイにかぶりついた所で、動きが止まる。
予想どおりの動きだ。
(信じられないだろうが、俺は、異世界からこちらの世界に召喚され、成り行きでお前に宿る事になってしまった者だ)
自分でも、何を言っているんだろう?って思うが、他に言い様がない。
アーサーはといえば、頭を抱え込んで『悪霊に取り付かれてしまった!』なんて混乱している。
無理もない。
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