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質問責めを4時間くらいされ、ヘトヘトになったところに迎え(ルネ父)が来た。
「妻がお世話になりました。」
「本当だよお父さん、お母さん鎖に繋いどいてよもう……。」
「お、お母さんそんなプレイはちょっと……」
「ちっがーう!!」
親子の面白いやりとりを見ながらふとフォレンは考えた。
もとはと言えば、倒れていたところを勝手な厚意で拾ってきてしまったのだから、そろそろルネを実家に帰すべきではないか……。
しかし、そんな心配も杞憂に終わる。
「じゃあフォレンさん。ルネをお願いします。」
「え、いやあの……ルネも一緒に帰らなくていいんですか?」
「いいのよ、すっかりフォレンさんに懐いてるみたいだし……それに、この子は鍵だから。」
「鍵?」
聞き返すと、ミルカローズはくすっと笑ってそれ以上話を深めなかった。
神鳥様が二人を乗せ、上空に羽ばたく。
「じゃあね、ルネ。また来るからね!」
「しばらくはいいです。」
ばっさばっさと大きな羽音を立てて、二人を乗せた神鳥様は去っていった。
「はぁ……えらい災難だった…フォレンさん?」
「ん?…ううん。帰ろうか、ルネ。」
ミルカローズが最後に残した「鍵」という言葉が気になっていたが、今は忘れることにした。
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