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昼。
ルネはこの時間、サキュバスの子、サリチェの家庭教師をつとめている。
サリチェはピンクの髪の毛を二つに纏めている女の子だ。紫の瞳は常に好奇心でキラキラしている。
まだ子供ということもあり、皆から「さっちゃん」と呼ばれているが、その愛称は本人も気に入っているようだ。
「さっちゃん『けいさん』もできるようになったの!」
「さっちゃん凄いねー。」
「でしょ!」
サリチェは自信たっぷりの表情をした。
一方フォレンは仕事をしながら、稀に迷い込む勇者と名乗る偽者達を軽くあしらったいた。
今日も、誰かが迷い込んだようで。
「魔王、覚悟!」
「いや、来てくれたのはありがたいんだけどね。今日は忙しいからまた今度にしてくれないかな?」
それでも勇者もどきはますます怒る一方、ついには剣を振りかざした。
「ふざけるな!」
その瞬間、眩しい光が両者の間に現れた。
光が弱まった時には、真っ白な羽を持った金髪の青年が立っていた。閉じていた目を開けると、吸い込まれそうな青い瞳。
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