少年にとっての光

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少年は握っていた両手剣をやっと背にガシャッと音を立て納刀した。そのまま着ていたパーカーのフードを被ると歩きだした。 このVRMMORPGが作り出した擬似の大通りを…。 20XX年、VRがゲームに組み込まれ、自分自身がプレイヤーキャラとしてプレイ出来る〈VRRPG〉それが改良され仮想大規模ロールプレイング〈VRMMORPG〉となるまでそう時間はかからなかった。勿論、ゲーム好きな奴らはさぞ興奮しただろう。俺もその奴らの仲間で、同じように興奮した事はいつでも思い出せる。 〈β・T〉ベータテスト、つまり正式サービス開始前の稼動試験参加者の募集枠は僅か千人に対して、応募数は約十万人を超したと聞いている。俺も運良く当選し〈β・T〉開始時刻の三十分前からヘッドギアを着用して待ったものだ。 ?「おう、リュウトじゃねえか!今日はどうした?」大通りを少し歩いた所で足を止めた。目の前には小さめの店があり、その店を切り盛りしている商人プレイヤーの男に話し掛け…る前に話し掛けられた。 リュウト「アイテムの換金以外に何があるってんだ…」
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