少年にとっての光

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それを聞いた店主、クロウは、ハッハッハ!と笑った。 クロウ「確かにそうだな、お前がここに用事と来たらそれだけだもんな!」 俺は先の狩りで手に入れたアイテム品をオブジェクト化すると、クロウに投げ渡した。それをガシャッと音を立てて受け取ったクロウは早速、鑑定し始めた。 少しの間、辺りは静かだったがクロウが口を開いた。 クロウ「…モンスタードロップ品だけじゃねぇな…。リュウト、またか?」クロウは顔を上げず、鑑定しながら言った。 リュウト「まぁ…な…」リュウトは店に置いてある椅子に腰を下ろし応えた。 クロウ「そうか…、リュウトあんまし無茶はすんなよ」 リュウト「するかよ…、あんな雑魚共相手に…」陽が赤みを増してゆく…。もうすぐ5時か。 クロウ「ハハハッ、確かにお前にとっちゃ奴らなんぞモンスターより楽勝だからな!」クロウは豪快に笑うと、鑑定が終わったのか、俺の近くの椅子に座った。 クロウ「全部で二万七千四百Gだぜ」クロウはお茶を啜りながら換金額を言った。 リュウト「案外高いな…二万Gでいい」茜色の夕空を見ながらリュウトは応えた。 クロウ「またか…、本当にいいのか?そんな破格の金額で…」コト…と湯呑みをテーブルに置いて、クロウはリュウトを見た。 リュウト「あぁ…せいぜい、初心者や中級者にでも安く提供してやってくれ…」クロウから二万Gが入った布袋を受け取り、店を出ようかと思ったが、クロウが「あぁ…そういやぁ…」と後ろで呟くのが聞こえたので振り向くと。 クロウ「初心者って言やぁ~、今日の六時辺りだったか?」 リュウト「あぁ…あれって今日だったな…」
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