少年にとっての光

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クロウ「そんなに落ち込むなって、むしろ羨ましい事だぜ?報酬が各ポーションに、各結晶石なんて」クロウが、リュウトを慰めてはいるが、ガックリと肩を落としている。 リュウト「…なんで、他に人がいるのに俺の所に…」 クロウ「つってもよ…どうしようも無いぜ、なんならクエストすっぽかすか?」 リュウト「流石にそれは駄目だろ…、同行者に迷惑がかかる」 クロウ「んならやるしかねぇよ、破棄も譲歩も出来ねぇんだし」クロウがリュウトを言いくるめようとするが…。 リュウト「そう言っても…なぁ…」そんなやり取りをしている間に、時刻は五時四十分を回っていた。 クロウ「ったく…、いつまでもグダグダ言ってんじゃねぇよ。ほらぁ~、もうすぐ六時だぞぉ~」そう、クロウが急かすと 「あぁ~分かったよ!」 と言って、リュウトは立ち上がった。 クロウ「まぁ…、頑張ってこいやぁ~」クロウは右手を振り、リュウトを送り出した。 リュウトも、歩きながら後ろのクロウに手を振り返した。 クロウ「‥‥‥‥‥」 静かになった店内に残ったクロウは湯呑みを取り…。 クロウ「…あんなに優しい奴なのに…、周りは冷たい目で見やがる…」パキィィィィインッ。クロウの握っていた湯呑みが砕け、ポリゴンの破片となって四散した。 クロウはただ、唇を噛むことしか…出来なかった…。
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