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「気をつけて」
フィロドキア近郊の空。
眩しい陽を受け宙を舞う4人の小さな影。そして対峙するのはもう1つの大きな影。
怪しく緑に光る紋様をもつその亀のような生き物は、俺たちに気付き、巨大な口をこちらへと向けてくる。
「こいつは動きが遅い。ラミエル、先行で突っ込むぜ」
「そうだな。狙うは本体の裏側だ、ユーリ」
「…引き付けは得意」
「私たちはこいつの注意を引くよ」
「ああ、そっちはモニカとミカにまかせた」
彼女たち2人にその場を譲ると、俺たち2人は、敵の死角である上空を迂回し、素早く下に回り込む。
『ギュオオ!!』
モニカの放ったキャノンが命中する。
上手く向こうへ敵の気が逸れる。
こちらには気付かれていない。
「…よし」
チャンスとばかりに片手のブレイドで、勢いをつけて敵に切りかかった。
『ギュオオォォォ…!!!』
すると淡い光を漏らしながら小さくなっていく。
そこは運良く急所だったらしく、その攻撃の後は途端に動きがなくなってしまった。
「よし、もらった」
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