■01:新入隊員

2/20
前へ
/224ページ
次へ
「気をつけて」 フィロドキア近郊の空。 眩しい陽を受け宙を舞う4人の小さな影。そして対峙するのはもう1つの大きな影。 怪しく緑に光る紋様をもつその亀のような生き物は、俺たちに気付き、巨大な口をこちらへと向けてくる。 「こいつは動きが遅い。ラミエル、先行で突っ込むぜ」 「そうだな。狙うは本体の裏側だ、ユーリ」 「…引き付けは得意」 「私たちはこいつの注意を引くよ」 「ああ、そっちはモニカとミカにまかせた」 彼女たち2人にその場を譲ると、俺たち2人は、敵の死角である上空を迂回し、素早く下に回り込む。 『ギュオオ!!』 モニカの放ったキャノンが命中する。 上手く向こうへ敵の気が逸れる。 こちらには気付かれていない。 「…よし」 チャンスとばかりに片手のブレイドで、勢いをつけて敵に切りかかった。 『ギュオオォォォ…!!!』 すると淡い光を漏らしながら小さくなっていく。 そこは運良く急所だったらしく、その攻撃の後は途端に動きがなくなってしまった。 「よし、もらった」
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加