* 本編 *

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<草日> ぐにゃりと世界の揺らぐ感覚。奇妙な浮遊感。 少女は光の中で目まぐるしく揺れる景色を、朦朧とする意識の中で眺めていた。 弱々しい光の球は、なおも目の前にある。 この光は私をどこかに連れて行こうとしている。 漠然とそう思った。 少し怖い。でも、それ以上にドキドキしている。 手を伸ばしても決して届かないのは、この先に光の導く何があるから。 光の束が一点に収束してゆく。  ああ、もうすぐだ。 視界の端から闇が交わりながら現れる。 ふわりと、少女の意識が途絶えた。
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