+壱+

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10月 暑い夏が過ぎ 秋の心地好い気候と色に世界が染まる 月は美しく輝き さらさらと風に草が揺れる 親「美味いな、この酒」 就「ああ、中国の酒だ」 二人は元就の城、高松城で月を見ながら飲んでいた 会うのは久しぶりで 会話も酒も弾んだ 親「しかしよぉ、本当久しぶりだな。この前に会ったのはまだ春だったか?」 就「そうであったな、度々見かけることはあったが…こうして会ったのは春であったな」 親「そうだなぁ…会いたかったぜ、元就」 就「フン」 元就が照れなが酒を飲むに続いて元親も酒をぐっと飲み干す 就「しかし…まさか荒くれ者だとしか思うてなかった奴が、今やこのような関係になろうとはな…」 親「俺だって、まさかあんなすかした奴が恋人になるなんて思っちゃなかったよ」 お互い軽く笑いながら「何だと?」と悪戯に反発しあう そして元親は元就を抱き寄せる 親「けど、今はこうやって…大好きで、愛してるんだよな」 抱く力を強くすると、応えるように元就も抱き返す 就「嬉しいぞ…我もだ、元親」 視線が絡み合い、求め合うように口付けをした
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