58人が本棚に入れています
本棚に追加
真君はそれを聞いて"ふ~ん"とだるそうに答えると私を抱きしめた。
「あ、あの…私、風邪薬とか持って来たいんですが……」
思わず敬語になってしまう…
きっと今私は顔が赤いに違いない…ドキドキしてるもん…
「いらない」
真君はそう言ってさっきよりも強く抱きしめてきた。
そのせいで、私と真君との距離が縮まる…
もう、顔が目の前………
私が真君を真っすぐ見ていると真君はさっきまで閉じていた目をパチッと開けた。
「なんだ」
目が合った瞬間、すごく暑くなった…
「え…あ、なんか暑くない?」
真君から目を逸らして言う…
「俺は風邪引いて寒い…寒いからお前に抱き着いてるんだろ?お前は人間湯たんぽだからな…」
その言葉で私は一気に寒くなった…というより一気に冷めた。
私は人間湯たんぽ!?
じゃあ寒くなかったら抱き着かないって事ですか…
「…クシュンッ」
一気に冷めたせいかよくわからないけど、くしゃみがでた。
「大丈夫か?お前もやっぱ濡れちゃったよな…」
と真君は訳のわからない事を言いはじめた。
「なにが?」
真君に聞くと、昨日は雨が降っていたらしく、傘を学校からパクリ私を濡らさないようにさしていて、真君はずぶ濡れだったらしい…だから風邪を引いているわけだ…
「ごめん…ありがとう…」
最初のコメントを投稿しよう!