#そんな人だとも知らずに…#

3/10
前へ
/122ページ
次へ
帰りのHRが終わり、先生の挨拶と同時に生徒が教室から出ていく。 私は早瀬先輩の教室に行くべく、いつもより早く教室をでる予定でいた。 でも…真君が話し掛けて来たんだ。 さっきまで一言も喋らなかったのに…。 「おい…」 教室を出ようと席を立った時に声をかけられた。 「なに…」 真君はいつもと違う私を見て一瞬、困ったような悲しいような顔をしたように私は見えた。 「帰らねぇの?」 この前は帰る約束なんかしてねぇだあーだこーだいったくせに… 「遊びに行くから…」 なんでいちいち言わなきゃいけないんだろう…。 「だれと」 真君の表情が少し歪んだように見えた…。 でも私は怒りが沸々と込み上げていた…。 当事者でもないくせに口を突っ込んでくる意味がわからないから…。 「干渉しないで…」 私はそう言い残して先輩の教室へ走った。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加