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「チェシャ猫…女王様と話したの?」
亜莉子が驚くのも無理はなかった。
なぜなら2人は仲が悪く、チェシャ猫に亜莉子の事を教えるなんて到底思えなかったのだ。
『女王は今頃“カサ”を探してるよ』
「チェシャ猫…もしかして女王様の傘を持って来たの?……勝手に?」
チェシャ猫はにんまり顔をますますにんまりさせた。
きっとそうなのだろう…。
はぁ…と亜莉子がため息をつくと
『アリス…“カサ”はいらないのかい?』
チェシャ猫は首をかしげて言った。
亜莉子は何が言ってやろうと思ったが……
窓の外、どんどんひどくなる雨を見て言った。
「……とりあえず帰ろうか」
end
「雨の放課後」
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