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『もう、やめよう』
唐突に彼は言った
自分が間違っていた
もう、終わりにしよう…と
私は信じられなかった
彼がそんなことを言うなんて
『…いや、いやよ!!!』
私は叫んだ
『離れるなんて、絶対いや!!
私たち、あんなに愛し合っていたじゃない!!!』
『…それは君の錯覚だ。君にはもっと、君に相応しい人がいるよ』
彼は辛そうに、私を…自分諭すように言った。
『それに世間は俺達の事を認めないだろう。君の家族…もちろん俺の家族も』
『世間の目が何だって言うの!!
そんなの気にしなければいいじゃない!!!』
私は認めたくなかった
『…ごめんね』
でも、わかってしまった…
もう、何を言おうと彼の気持ちが変わることはない…と
『いやよ…絶対…』
私にはどうすることも出来ないのだろうか…
彼は私に背を向けて、ドアへ歩きだした
その背中は、私を拒絶しているように見えた
私は頭の中が真っ白になった
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