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そう言うと、楓太は脱いだ振袖を壁にかけ、小物一式をキチンとまとめた。 それからトレーナーを着ると、財布や携帯電話の入ったリュックを肩に担いだ。 「じゃあ、頑張れな」 そして、わざとらしいくらい爽やかな笑顔で相手を制し――控え室を出たところで、この話は終わったと思っていたのだ。 ……昨日、稔が楓太の高校の前にいた時までは。
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