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「真弓ちゃん、バイバーイ」 「また明日ねー」 「……ハハ」 放課後、先輩達からの呼びかけに楓太は引きつった笑顔で応えた。 家から一番近い高校は、進学校なだけではなく男子校だった。つまりは(当たり前だが)女がいない。そのせいか、楓太を含めた一部の生徒はその身代わりと言うか、オモチャにされる傾向にある。 たとえば、今のようにまともに話したこともない相手からの『ちゃん』付け呼び――更には頭を撫でられたり、いきなり抱き着かれたりもする。
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