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「よし、告白すんのよ!さあ、行って来なさい」
流され、吐かされ、煽られ。
気付けばとんでもない状況になっていた。
「無理っ……!無理無理無理!!」
ぐいぐいと私の背を押し部屋から追い出そうとする女郎さん達。
自分達から連れ込んでおいて、酷い。
涙目で反論するとあからさまな溜め息をつかれる。
「何が心配なの」
「いや、心配っていうか…まだそんな段階じゃ…」
「そんなもの、言っちゃえば何とかなるわよ」
「な、ならない!」
女郎さんをなんとか押し返して、お菓子の箱が散乱する部屋に座り込んだ。
すぐ横では菊さんが笑いながら豪快にチョコバーをかじっている。
…お腹が空いた時に食べるやつだ。
こんな深夜に随分と高カロリーなものを、なんてツッコミは入れないでおく。
「あなた達、そう無理強いしないの。波瑠ちゃんだって恋愛初心者なりに無駄なタイミング計ってるんだから」
「そうは言うけど、菊。このまま放っておいたらこの子、うやむやにしたまま一生言わないよ。ヘタレだもの」
…酷い言われようなんですけど。
口を尖らせていると菊さんが私の掌にお菓子を乗せた。
「御世話様に自分の気持ちを伝えたくないの?」
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