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「どうせ冬馬にそう言ってやれって頼まれたんだろ。余計なお世話だっつーの」
「え…ち、違」
「波瑠も波瑠だ。冬馬の頼みだからって、思っても無いこと言うなよな」
思っても無いこと…?
え?
なに?
まさか私の告白、信じてもらえてない…?
「ちょ、ちょっと…!嘘でしょ…!」
「はぁ?嘘ついてるのはお前だろ。そもそもお前が俺を好きとか天地がひっくり返っても有り得ないし」
「えぇっ!?」
「そういうの迷惑なんだけど。冬馬に言っとけ」
「……!」
冷たく言い放たれた言葉に頭の中が混乱する。
「め、迷惑…?わ…私のこと、好きなんじゃなかったの…?」
何て台詞だ。
まさか私にこんな台詞を口にする日がくるなんて。
だけど口は止まらない。
「わ……私の気持ちを弄んだの!?」
あああ。
これは生涯絶対に言いたくなかった台詞ナンバーワンだ。
まさか十七歳で使う羽目になるなんて。
色々なショックが加算されてどんどん可笑しくなっていく気がした。
夏生は相変わらず怒りを孕んだ目で私を見る。
「弄んでるのはそっちだろ。人の気持ちを利用してえげつない事しやがって。こういうふざけたやり方が一番腹立つ」
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