死屍累累

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  夏生が私の身体を押し戻し、心外だと言わんばかりに眉間に皺を寄せて私を見る。 突然失った人肌を名残惜しく思ったのは私だけのようで、少し寂しい。 「人をしょうもないガキ大将みたいに言うなよ」 「え。普通にガキ大将だったよ。無茶ばかりしてうちのおばあちゃんにも良く怒られてたじゃん」 仏頂面につられて可愛くない言い方をすれば、夏生は記憶を巡るように視線を彷徨わせる。 「……そういえば、波瑠のばあちゃんに全力の拳骨もらったことあるっけ」 「あれはなっちゃんが屋根から屋根に飛び移る遊びをしてたから悪いんだよ」 「冬馬だって見えない所でやってたんだよ。なのにあいつ、俺が怒られてても素知らぬ顔を貫き通しやがって」 面白く無さそうに話す夏生の顔を見ていると笑いが込み上げてきた。 昔話をする夏生は子供の頃のように生き生きとして、声だって表情だって、まるであの頃に戻ったみたいだ。 「冬馬くんはそんなことしないでしょ」 「…お前は本当に冬馬の上っ面しか見てきてないよな。学校の石像の頭を落としたのも冬馬だぞ」 「えっ。…あの時の冬馬くんの謝罪って、なっちゃんを庇うためのものじゃなかったの…?」  
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