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「…我慢しないついでに気になったことがあるんだけど言って良い?」
「うん。何?」
「スカート、短過ぎだろ」
「………」
足元を見て、それで自分がまだ制服でいたことを思い出した。
投げ出された脚が多少露出してはいるが、決してミニというわけではない。
若干乱れていた裾を直し、夏生に見せる。
「……膝丈なんですけど」
「いや、短い」
「短くないよ。美緒はもう一つ折って短くしてるけど、私は中等部の頃から変えてないもん。身長は伸びたかもしれないけど」
「ブレザーならまだしも、セーラー服でミニとかみっともないからやめろ。邪道だ、邪道」
「…みんな大体このくらいだったじゃん。そもそも短くないし」
「色気なんて出そうとしてどうするんだよ。風邪引くだけだぞ。しまえ」
…話を聞いてないし。
頭の上から降り注ぐ不機嫌な声を聞きながら再び目を閉じて夏生の体温に浸った。
私に似合う長さがどうとか女が身体を冷やすなだとか、いつまでも何やらグチグチ言っていたけど。
不思議な事に夏生の全てが心地良くも愛おしく感じ、聞きながら一人で笑っていた。
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